今年のSF大会は大きな変化があった。それはいままでSF大会で会うことが無かったロボット関係者に随分と沢山会ったのだ。しかも、複数の企画で。
いままで日本SF大会と日本のロボットの各種大会に参加している人間は世界中で私ぐらいだと思っていたのだが、今年のSF大会から大きな変化が見えたと感じた。昨年のワールドコンでもマノイの企画があったので変化のきざしという意味では昨年からかもしれない。しかし、今年は会場内を二足歩行ロボットが歩いていたりして、ロボットのとのかかわりが大きく変化したと年といえると思う。
ロボット関係者と出会った企画で一番大きいものはロボハブという言う企画でバトルにサッカーに銃撃戦といろいろな二足歩行ロボットの競技を2日間かけて行っていた。まあ、そんな企画なので多くのロボット関係者に会うことが出来た。しかも2日間行われていたのでいろいろ話もできた。
もう一つがマンガまるいちの企画でも複数の知り合いにであった。こちらは予想外でちょっと驚いてしまった。これからは、作品の登場キャラクターを模したロボットが企画に登場するのは珍しくなくなるかもしれない。ロボットはSFに欠かせないのでこれだけ人型のホビーロボットが普及してくると自然の流れかもしれない。
意外だったのが、KHR2が歩いている程度で皆がカメラを向けることだ。さすがにロボットの大会ではあまりお目にかからない光景になった。そりゃオリジナルなロボットは特徴があれば皆写真を取りに行くが、ちょっと改造されただけのほぼ市販品のロボットに対してはさすがに最近はなくなった。
SFファンは意外と現実を知らないというか、二足歩行ロボットをあまり見たことが無い人が多いことが判明、これは意外。携帯電話の普及などで言われるがここにも現実がSFを追い越した部分があるのかもしれない。
それにしてもファイブ(大型の二足歩行ロボット前回のROBO-ONEなどに出場している)が会場を歩いている姿は、コスプレした子供が歩いているのと大差なく、会場の雰囲気に溶け込んでいたのはやっぱりという感じ。操縦している人がリモコンを後ろにもって一見自律で動いているように見せているのがまた会場の雰囲気を読んでいて面白かった。
さて参加した企画からいくつか、まずボーカロイドの企画。まあ、初音ミクねたですかね。クリプトン社の人の話で、「アッコにお任せ」のスタッフはインターネットやパソコンに疎く放送前日の11時(午前か午後かどっちだったか、徹夜うんぬんと言っていたから午後か)に連絡があってzipファイルの解凍の仕方がわからないので教えて欲しいと聞いてきたとか。ミク関連のツールを動かしてみるために必要な作業だったようだ。その状態からよく放送できる映像を作ったものだ。そんな状態ではとても内容に思想をいれるのはむりではないか。
この話オフレコと言っていたような気もするが、ブログに書かないでとは言われなかったからいいか。(オフレコはマスコミに対する言葉と解釈)
もう一つが企画部門で暗黒星雲賞をとったプラネタリウム。鍋に穴を開けて作ったものだとか。映像を写すドームも扇風機を使ったエアドームになっているとかでなかなかのものだった。しかし、面白かったのは立体映像。星空とはあまり関係ないが赤と青のめがねをかけて立体映像を見せてくれた。それだけなら珍しくもないと思うかもしれないが、これが全て手作り。どんな方法かと言えば影絵なのだ。製作した人が考えたといっていたがすばらしいアイディアだと思う。どんな原理かといえば、赤と青の電球を使って立体的に作った模型の影絵を見せるのだ。これを赤と青のめがねをかけてみると電球のある位置の視点でドームに映った影絵を見ることが出来る。宇宙船の模型を電球ぎりぎりの位置で動かしていくと、その影を見ていると自分のいるところぎりぎりを宇宙船が通っていくように見える。実際に体験してみると影絵とはいえなかなか迫力があった。
一緒に参加していた人の話なんだけど、今年のSF大会は潮目が変わった大会になるのではないと感じたそうだ。それは、星雲賞の授賞式に普段SF大会に参加しないような人達が選ばれて、しかもみなわざわざ授賞式のためだけに来てくれたことだ。私もなんかいつもと雰囲気が違うなと感じた。
それなのに、再来年の大会の開催者が決まっていないという。これは今までにない事態で皆運営をやりたがらなくなったということで、SF大会の賞が外に評価されるようになったと感じたことと当の参加者達の感覚がずれてきたのかもしれない。さて、今後どう変化していくのだろうか。