May 12, 2009

なぜ地球温暖化否定論が沢山でてくるのか

養老孟司さんが新聞に書いていたが、今日本で言われる省エネ対策の多くは、国民一人一人に自制を強いるもので、旗振り役の政府は楽をしていると言うのである。
確かに、自分達でなにかやるより他人に何かやれという方が楽だ。しかも、いまの社会の雰囲気では省エネはだれもそれを否定しずらい状況だ。まるで絶対的な正義のようになっている。養老さんは政府は国民に説教するより、国際的な交渉をしっかり行ってエネルギー消費を抑えるようにすべきだと書いていたが、それだけではなくて炭素税を導入したり、風力発電、太陽光発電の電気の買取をドイツのように強制させるなどの措置を取るほうが省エネをせよと一般人に宣伝するより効果があるだろう。ただ、そのような政策をとることはそれなりの努力が必要で、ただ省エネを宣伝する方が楽にできるのでそちらに走ってるというわけだ。日本の役人も随分と志が低くなったものだ、日本のため世界のためにできることがあるのに、それをせず効果があまりなくても楽で、ちゃんと仕事しているように見えることに逃げているのだから。

その議論を読んで気がついたのだが、一般人、まあ多くの国民はやはり政府から説教されるのはイヤなんだな。でも省エネは地球のためになるなどといわれればなかなか逆らえない。なら、政府の言っていることは実は地球のためにならないという論がでてくればこれは嬉しいわけで、その部分をお金を稼ぎたい人達は見逃さないわけだ。で、実は政府の言っている省エネ対策は、地球環境のためになっていませんよ、という論調の本が沢山出てきて売れるようになるというわけだ。

このあたり疑似科学、ニセ科学で関連の本を書いて稼いでいる人達と似た構図のような気がする。ただ疑似科学の人達と違って、政府がお説教をするのを控えれば駆逐できるような気がする。そういう意味では政策の問題ということになる。
このような省エネ対策は地球環境の役に立っていない論も、その理屈をいろいろ言うところでどうも疑似科学なものが含まれてくるように感じるので新しい疑似科学の分野として定着してしまわないように願っている。

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November 06, 2008

ROBO-ONE14回大会観戦記

10月11日、12日に二足歩行ロボットの格闘大会ROBO-ONEの大会が開かれた。毎回秋の大会は地方で行われるので見に行かないのだが、今回はROBO_JAPAN 2008 の中で行われたので横浜の開催となった。おかげで見に行くことができた。
試合の様子に関しては予選決勝3日目を見てください。

ROBO-ONEの大会を連続で見たのは今回が初めてのはず。ロボットの進歩という意味では1年間をおいたよりは少ないと感じたが、それは当然だろう。どんなロボット達がでてのか関心のあるところだが、今回予選の出場者リストを入手できなかった。会場にいた係りらしき人によると、ROBO_JAPAN 2008と同時開催ということであまりに多くの人がくるので準備しなかったと言われた。実は12日の決勝も出場リストは言わないともらえなかった。理由は、ロボットの名前も区別出来ない人が機械的とっていってもあまり役に立たないと説明された。判る人だけに渡すようにしているということか。まあ、分からないではない。できれば初日も同じ扱いで出場者リストが欲しかった。

今回も企画審査に、坂道を登れるかがあったようだ。13回のように皆の前で行うわけではなったが、すみの方で行っていたので見ようと思えばみることができた。今回は午前の部はあまり見ることが出来なかったので断言できないが13回の時のようにほぼ市販キットのままの出場は無かったようだ。予選課題は、音楽にあわせてのダンスと三回転ジャンプではなくて、三回の回転ジャンプだったようだ。この課題を完全にこなせなくても、回転ジャンプらしきものができれば予選は通ったようだ。もちろんダンスの方もそれなりに動かさないとダメだったとは思う。

今回の特色はとにかく大きなロボットが出てきたことだろう。優勝したオムニゼロ.7は20キロ近くあるそうで2名がかりで持っていた。他にも1.3mの規格いっぱいのものや、予選は通らなかったが、やっぱり規格いっぱいくらいの大きさで子供靴をはき子供の服を着たロボットもあった。

一応軽量級と重量級にわかれて、最後にそれぞれの優勝ロボットが戦って総合優勝をきめるという手順だった。

おそらく、今回オムニゼロが総合優勝したことで大きさの規格や作成費用に関していろいろ話題になるように思う
軽量級で優勝したキャバリエも最初は5キロほどあった大型ロボットだったが、大きさはあまり変えず軽量化をはかって3キロにしたもので、大きなロボットが勝ったということだ。特にオムニゼロは非常に高価な高トルクサーボを使用しているので、だれでも作れる価格ではなくなっている。同じ高トルクサーボでも不知火のように自作したサーボを使っているならまだしも、市販の高価格サーボを使われるとお金がないと勝てるロボットを作れないという話になってしまう。一応ホビストの大会であるのであまりそのような状態になるのは面白くないと考える人は多いと思う。
私は、実行委員長の西村さんが、対策を考えると言っていたので、すぐに大型ロボットが有利という状態にはならないと思っている。どうするかというと重量が重くなるにしたがって足の裏の大きさを制限して安定に歩かせることを難しくすようなことを行うと言っていた。これはかなり有効な方法だと思う。オムニゼロの操縦者の前田さんはロボットをよく動かす操縦者で、軽快に動くロボットをいつも作るのだが、今回は本当に必要最小限しか動かさなかった。私は実はそちらが真の勝因ではないかと思っていたりする。いままでは動かしすぎて自ら不利な状況になっていたこともあったのだが、今度は意識して動きを最小限にして有利に戦っていた。大きくて重いロボットだからそうできたのかもしれないが、私には今回は意識して勝つための操縦をしていたように見えた。

さて、スポンサー付きの大型ロボットばかりが出てくる決勝トーナメントになる日は来るのだろうか。年々部品の性能は上がっているので、いつかはリーズナブルな価格の高トルクサーボが登場してそのような日は来るような気はする。ただ、人気がそこまで続かず、どこかで費用をあまりかけずに勝てるロボットが登場してそちらに流れが行く可能性もあると思っている。

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September 06, 2008

SF大会参加の感想

今年のSF大会は大きな変化があった。それはいままでSF大会で会うことが無かったロボット関係者に随分と沢山会ったのだ。しかも、複数の企画で。
いままで日本SF大会と日本のロボットの各種大会に参加している人間は世界中で私ぐらいだと思っていたのだが、今年のSF大会から大きな変化が見えたと感じた。昨年のワールドコンでもマノイの企画があったので変化のきざしという意味では昨年からかもしれない。しかし、今年は会場内を二足歩行ロボットが歩いていたりして、ロボットのとのかかわりが大きく変化したと年といえると思う。

ロボット関係者と出会った企画で一番大きいものはロボハブという言う企画でバトルにサッカーに銃撃戦といろいろな二足歩行ロボットの競技を2日間かけて行っていた。まあ、そんな企画なので多くのロボット関係者に会うことが出来た。しかも2日間行われていたのでいろいろ話もできた。

もう一つがマンガまるいちの企画でも複数の知り合いにであった。こちらは予想外でちょっと驚いてしまった。これからは、作品の登場キャラクターを模したロボットが企画に登場するのは珍しくなくなるかもしれない。ロボットはSFに欠かせないのでこれだけ人型のホビーロボットが普及してくると自然の流れかもしれない。

意外だったのが、KHR2が歩いている程度で皆がカメラを向けることだ。さすがにロボットの大会ではあまりお目にかからない光景になった。そりゃオリジナルなロボットは特徴があれば皆写真を取りに行くが、ちょっと改造されただけのほぼ市販品のロボットに対してはさすがに最近はなくなった。
SFファンは意外と現実を知らないというか、二足歩行ロボットをあまり見たことが無い人が多いことが判明、これは意外。携帯電話の普及などで言われるがここにも現実がSFを追い越した部分があるのかもしれない。

それにしてもファイブ(大型の二足歩行ロボット前回のROBO-ONEなどに出場している)が会場を歩いている姿は、コスプレした子供が歩いているのと大差なく、会場の雰囲気に溶け込んでいたのはやっぱりという感じ。操縦している人がリモコンを後ろにもって一見自律で動いているように見せているのがまた会場の雰囲気を読んでいて面白かった。

さて参加した企画からいくつか、まずボーカロイドの企画。まあ、初音ミクねたですかね。クリプトン社の人の話で、「アッコにお任せ」のスタッフはインターネットやパソコンに疎く放送前日の11時(午前か午後かどっちだったか、徹夜うんぬんと言っていたから午後か)に連絡があってzipファイルの解凍の仕方がわからないので教えて欲しいと聞いてきたとか。ミク関連のツールを動かしてみるために必要な作業だったようだ。その状態からよく放送できる映像を作ったものだ。そんな状態ではとても内容に思想をいれるのはむりではないか。
この話オフレコと言っていたような気もするが、ブログに書かないでとは言われなかったからいいか。(オフレコはマスコミに対する言葉と解釈)

もう一つが企画部門で暗黒星雲賞をとったプラネタリウム。鍋に穴を開けて作ったものだとか。映像を写すドームも扇風機を使ったエアドームになっているとかでなかなかのものだった。しかし、面白かったのは立体映像。星空とはあまり関係ないが赤と青のめがねをかけて立体映像を見せてくれた。それだけなら珍しくもないと思うかもしれないが、これが全て手作り。どんな方法かと言えば影絵なのだ。製作した人が考えたといっていたがすばらしいアイディアだと思う。どんな原理かといえば、赤と青の電球を使って立体的に作った模型の影絵を見せるのだ。これを赤と青のめがねをかけてみると電球のある位置の視点でドームに映った影絵を見ることが出来る。宇宙船の模型を電球ぎりぎりの位置で動かしていくと、その影を見ていると自分のいるところぎりぎりを宇宙船が通っていくように見える。実際に体験してみると影絵とはいえなかなか迫力があった。

一緒に参加していた人の話なんだけど、今年のSF大会は潮目が変わった大会になるのではないと感じたそうだ。それは、星雲賞の授賞式に普段SF大会に参加しないような人達が選ばれて、しかもみなわざわざ授賞式のためだけに来てくれたことだ。私もなんかいつもと雰囲気が違うなと感じた。
それなのに、再来年の大会の開催者が決まっていないという。これは今までにない事態で皆運営をやりたがらなくなったということで、SF大会の賞が外に評価されるようになったと感じたことと当の参加者達の感覚がずれてきたのかもしれない。さて、今後どう変化していくのだろうか。

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August 27, 2008

最近のマスメディアとネットでの出来事の関係

これを書こうと思ったのは、秋葉原の殺人事件をマスメディアではない一般の人(しかも複数)がネットを使ってテレビ中継(UstreamTVというアメリカの中継サイトを使ったようだ)をお行ったこと。もう一つ、毎日新聞の英語版サイト「Mainichi DailyNews」の「Wai Wai」というコーナー(コラムのようなものなのだろうか)で国内の週刊誌の創作としか思えない変態的な記事を5年余りも配信してきたことが、ネットで話題になり毎日新聞に対してネット上での追求が起きている件。

この二つは共通している部分が結構あるような気がする。それは今までなら既存のマスメディアしか行えなかったことを一般人でも行えるようになったこと。そして、その行為が今までのマスメディアの行為としても批判の対象になる行為であったことだ。

一つ目の行為は、いままでも犯罪や事故の様子をそのまま映像として報道して批判をあびるマスメディアはあった。それと同じ行為を一般人が行った場合マスメディアが批判することができるかだ。ここもいままでマスメディア自身が行ってきた理不尽な行為を傍から見たときにどう感じるのかマスメディアは深く考えてもらいたいものだ。

後者は既存のマスメディアにとって大きなことのように思われる。
マスメディアで今回のような不祥事は度々とは言わないが割と起こっているように感じる。今まではそのような不祥事が起こってもマスメディア同士ではあまり深く追求は行われなかった。また長く続くこともなかった。私はこれはマスメディアの身内意識によるものと思っている。まあ自分が不祥事を起こした時に手心を加えてもらいたいので追求の手が生ぬるくなると考えてもいいだろう。
しかし、一般人にはそのような遠慮はない。マスメディアが一般人や一般組織に対するのと同様に追求する。ここで注意して欲しいのはマスメディアが行ったのと同じことをしているにすぎないことだ。毎日新聞は自分たちが行ってきたことを当事者として受ける側になったわけだ。
今度のことでマスメディアが自分たちがしてきたことの理不尽さを自覚してくれるといいのだが。

もう一つ、毎日新聞の件で気になるのが、この時期にネット上で批判がなぜ巻き起こったのだろうか、いくら英語のサイトとはいえ5年間も続いていたものだ。それで思いついたのが毎日新聞の社長の交代のタイミングだ。騒ぎが起きてひと月程で社長が新しくなった。その社長の反対派が粗を探して騒いだのではないか。それに同調したネットの住人は単に釣られたのではないか。
まあたとえそうだとしても、毎日新聞がしたことに対する責任はしっかりとってもらいたいものだ。

参考:
毎日新聞「Wai Wai」問題と私刑化する社会とネット時代の企業広報の視点

秋葉原事件で融解した「野次馬」と「報道」の境界

「毎日jp」が自社広告だらけに,ネット上に深いつめ跡残る

毎日デイリーニューズ「WaiWai」問題 おわびと調査結果

上記のウエブ魚拓

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August 24, 2008

株主は保護しても労働者は保護しないのか

先ごろライブドアの堀江元社長の二審の判決があった。二審も有罪の実刑判決だった。その中身については触れないが、ふと感じたことがあった。マスコミはこの事件を報じるときに、うその業績を信じて株を買った人達を被害者として扱う。そのこと自体にも疑問がある。株主責任をどう考えているかだ。
だが、私が感じたのは、マスコミがこれだけ株主保護を言う割りには、偽装請負やサービス残業など労働基準法を犯して働かされている労働者の保護はあまり言わないような印象なのだ。まあ、確かに批判的な報道はされるのだが、堀江元社長のように労働基準法を犯している会社の責任者を逮捕しろという声は聞こえてこない。これはいったいどういうことだろうか。やっぱり、労働者より株主の方が大切なのか。

労働基準法の罰則規定をよく知らないのだが、過去にオウム関連の工場ではあるが逮捕者がでたこともあるので、偽装請負やサービス残業で責任者を逮捕することは問題ないはずだ。実は堀江元社長の事件でももっとひどい事をしている上場企業が在ることがその後報道されたが、そこの責任者は逮捕はされていないようだ。
結局客観性や公平性より大きく警察の気分で決まっているような気がしてしまう。堀江元社長のような新参者で目立つと目の敵にされるという構図だ。

マスコミも労働者のことを考えるならライブドアの株主に向ける程度の労働者保護を訴えてもバチ当たらないと思う。偽装請負やサービス残業などで労働基準法を犯している企業はマスコミのスポンサーとして上得意なところもあるのでうかつに攻撃できないだろうか。やなり資本の原理に勝てないのか、それにしてももう少しバランスよく報道することはできると思うのだが、いかがなものか。

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July 14, 2008

第2回ROBO-ONE サッカー観戦記

7月5日(土)、6日(日)とお台場にあるパナソニックセンター東京で「第2回ROBO-ONE SOCCER」が行われた。当日の試合のようすはこことかここを見てください。

さて昨年と同様に二日目(6日)の決勝のみを見に行った。ただ、今年は予選からサッカーの試合をしたので、初日から行けばより多くの試合を見ることはできたが、時間の都合もあり決勝トーナメントのある二日目だけの観戦となった。

昨年との違いはいろいろあるが、まず1チームが4台(補欠1台がさらに加わる)となりキーパーを除くフィールドプレーヤーが3台となった。それにともないフィールドも大きくなった。ただ一番大きな変更は床面がいままでの板からパンチングカーペットになったことで、かなり歩行が難しくなったようだ。足の裏におもりを入れたりして安定に歩く工夫をしているロボットも見かけた。

見ていて感じたのは、浮きだまが多くなったことだ。昨年はキックしてもゴロのボールがほとんどだったが、今年はセットプレーからのキックはほとんど空中を飛んでいくボールがけられていた。ロボットの頭上を超えてゴールを狙うようなキックもあった。
そして、スローインはすべて手でつかんで投げるようになっており、かなりの距離を投げるロボットも多くいた。スローイン用にロボットの腕を改造してあるものも複数のチームで見かけた。人間と違いロボットの場合は、スローインでキックより強力なボールを投げるようにすることも可能なわけで、闘う戦略自体が変わってくることが予想される。

昨年もロボカップとの比較をしたのだが、最近のロボカップは中型クラスでどの程度浮きだまを蹴るのだろうか。小型クラスではゴロばかりだろう。さすがに人が動かすだけはある。すでに戦略の面では2年目にしてロボカップを追い抜いてしまったように私は感じる。何せゴロだけでやっているサッカーと浮きだまを使うサッカーでは質が全然違うと思う。

まだまだロボット個々のボール扱いはそれほど上手いわけではないが、チームとしての動きは人間に似てきたと感じた。それだけロボットの歩行の性能が上がったということだと思う。チームとしての動きは、練習不足のチームはフィールド上のすべてのロボットが全部ボールに集まってしまう状態が続くことだ。よく練習していると感じるチームはフィールド上に散らばって、必要ならパスやセンタリングを試みる動きをしていた。ただそれらはまだ成功することは少なかったように感じる。このあたりは、ロボットの動きの性能が上がれば改善されるように感じた。

だんだんサッカーチームとしての練度が勝敗を分けるようになっていくように思われる。ただ、すべてとまでは行かないまでもチーム内の多くのロボットが同一規格のチームが強かったように感じた。同じロボットをそろえたチームがいろいろ有利な点があるのだろう。なかなか、同じロボットを集めるのは難しいだろう。市販品そのままではロボットの性能面でハンディがある。皆がロボットを持ち寄ってチームを作るというパターンは少々不利なように感じる。サッカーしかやらないメンバーがそろったところはいいのだが、残念ながら小数派のようだ。まあ、もともとがロボワンなんだから格闘が主なメンバーが集まるのは自然だと思う。結局、サッカー用にチームでロボットをそろえられる財力あるチーム又は、別にサッカー用ロボットを持つことができる財力があるメンバーをそろえたところが当面は強いのではないだろか。

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July 09, 2008

バイオ燃料はCO2を出さないというのは本当か

そりゃ嘘にきまっている。ハイおわり。
いや、京都議定書で植物由来の燃料を消費してもCO2排出量に加えないと決めたことが、バイオ燃料はCO2排出をしないと言われる根拠なのだが、これが暫定的なものだと私は思っている。まあ、化石燃料を使わないようにするためにそれに比べるとCO2の環境負荷が遥かに少ないと当時考えられていたバイオ燃料はCO2を出さないこと決めたに過ぎないと私は考えている。

バイオ燃料。まあ、植物を燃やす。薪を使って焚き火をするようなものをイメージすればいいと思う。それは、もともと空気中のCO2を植物が固定したものを再び空気中に戻すことだから、それは空気中のCO2の量を増やさないと考えようということだ。
しかし、江戸時代なら薪は人力で山から切り出して運ばれるだろうけど、現代ではガソリンを使ったチェーンソーで切り出して、トラックで運ばれるわけで、手元に届くまでに結構なCO2を環境に排出してるはず。
まあ、ガソリンとか軽油とかも油田から原油を運んでくるのにもガソリンスタンドに精製工場から運ぶのにもCO2は出しているので、その部分は同じといえば同じなので、薪の方が環境に出すCO2が少ないのは間違いないはず。

それで、バイオ燃料ならCO2排出にカウントされないからどんどん使おうという言うのが今のアメリカ発の流れになっているが、農産物由来のバイオ燃料だと最近の農業は大量に石油製品を使うので、CO2の収支はそれほど良くないという話を聞いた。特にトウモロコシはそこから作られるバイオ燃料をガソリンなどに置き換えたときに削減されるCO2の量がたいそう少ないらしい。砂糖きびはかなり削減になるようで、昔からバイオ燃料に熱心なブラジルと最近騒ぎ始めたアメリカの経験の差かなあと思ったりする。
同じバイオ燃料でもそのCO2の収支は問題にしないと逆に実質のCO2の排出量が増えたりすることも今後起こってくるだろと思っている。

ところが欧米は自分達に都合の悪いようにはなかなかルールを変えないからあな。自分達に有利となれば簡単にルールを変えるくせにね。特にヨーロッパはその傾向が強いようで、対応は大変だと思われる。

さて、バイオ燃料を使うときに環境に排出されるCO2まできちんと考えたCO2排出管理が行われるようになるだろうか。そうならなければ他のものも含めてCO2削減というものが形式的な数値と実際と大きく乖離していくことになるような気がしてならない。

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May 25, 2008

中国の地震予知はどうなったのだろう

先日中国四川省で大きな地震があったとようだ。初期の報道最近の報道などによると当初1万人以上の死者がでていてさらに生き埋めになっていると思われる行方不明者が相当数いるということだ。数字はどんどん増えて死者が6万人を超えたとか。ちょっと大げさに数字を言っているのでないかと感じるほどの大被害になっているようだ。
この報道を聞いて私が思い出したのがかなり前に中国で地震予知に成功したというニュースだ。
中国では地震予知のシステムがすでに完成しており、何度かは予知に成功したというニュースを聞いた記憶がある(予知ではなく予報だったかもしれない)。地震の前兆現象は市民が自ら観測しており、その為に予知に失敗して来るはずの地震が起きなくても市民の間から非難は起きないという話だった。事実地震がくるという予知の為に建物の倒壊から逃げるために外にテントを張って避難生活をしている市民の映像を見た記憶もある。

システムとして完成していたなら、なぜ今回予知ができなかったのだろうか。残念ながらその件にかんする報道は今のところ目にしていない。今に比べれば中国国内の報道の規制ができていた時代の報道なので、内容は今思えば怪しいものだったのだろうか。
どこかの都知事あたりが皮肉の一つも言うかと思うが、そのような報道もいまのところ眼にしていない。

昔の話なのでどうかと思いつつネットを検索してみたらそれらしい資料が出てきたまずはずばり中国の地震予知という本の紹介だ。Amazonでみてみると古本ならあるようだ。
もう一つが地震の予知は成功していた!という記事。こちらは元記事ではなくてウエブ魚拓にしておいた。
念のため最初の記事もウエブ魚拓したものを下に紹介しておく。
中国の地震予知

あとは、今回の地震でカエルの大移動があったという前兆現象の記事が沢山ヒットした。しかし、残念ながらgoogleの上位に出てきた記事で今回の地震と過去の地震予知を結びつけるような報道はみつからなかった。
その後新聞で過去に地震予知に成功したという記述がある記事を目にすることはできた。また、週刊誌のネタで中国は地震予知が可能だと能天気に考えていたというような内容の見出しも目にはした。でもやっぱり過去の報道と比較して現在の状況を分析するような突っ込んだ記事はまだお目にかかれない。

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May 14, 2008

ROBO-ONE13回大会観戦記

3月22日、23日に二足歩行ロボットの格闘大会ROBO-ONEの大会が開かれた。内容はここここの一連の記事を参照してください。
今回会場の手配の手違いから開催日を3月29日30日から2008年3月22日23日へ1週間開催が早まったことで、参加者が減るかと思われたが、112台のエントリーがあって大きな減少はなかった。

さて、前回の観戦から1年経つのだが、今回は大きな変化が感じられた。参加資格審査が3度の坂を登り降りするというもので、公開の場で行われた。いままで参加資格審査は控え室で車でいえば車検にあたる規格審査の一環として行われていたものだ。
参加資格審査をクリアすると約20秒後に予選デモンストレーションを行わなければならないのもロボットの調整ができないので予選デモンストレーションも今までより難しくなっている。

大きな変化と感じたのは出場ロボットの構造上のもので、今までは屈伸とかジャンプとかが参加資格審査の課題だったので、市販キットそのままではなかなかクリアできなかったが、今回の坂道の昇り降りはその部分はクリアできるようで、ほとんど市販キットと思われるロボットが予選デモンストレーションに出てくるようになった。しかし、出場が簡単になったわけではなく、参加資格審査を通ったのはエントリーの半分以下だった。前回優勝の韓国のロボットも参加資格審査を通らなかったようだ。
ROBO-ONEの参加資格審査の基準や予選デモンストレーションの規定動作は、ROBO-ONE委員会がどんなロボットに出て欲しいと考えているかを表しているといえるだろう。今回規格審査で重心の位置が高めに設定されたことや、坂道の昇り降りなど、やはりより人間に近いロボットを求めているようだ。また、構造ではなくて制御で倒れず歩くことを要求していると思われる。それで、市販キットで参加可能になったのは、ロボットの自由度(可動する軸の数、もっと安易に言えばモータの数)が少なくても審査に通るようになったということ。これは、傾向としてはソフト重視に向かい始めているのだと思う。

今回のROBO-ONEの大会をみて、今まで強豪といわれていた人たちもソフトによる制御、特にセンサーを使っての制御をしっかり行わないと参加できなくなるように感じられた。初期の頃にリンク機構などを使って歩行を行うロボットが上位にいたりしたがすぐに出場できなくなった。同じように今センサーによるフィードバック制御をあまり行っていないロボットは出場できなくなる可能性が高いと思われる。それはそれで世代が変わっていいと私は思っている。

今回重量級と軽量級に分かれて行われたが重量級の台数が少なかったために本来16台でるはずの決勝トーナメントに13台の出場にとどまった。つまり重量級(3kg以上)であれば参加資格審査を通れば決勝トーナメントに出場できたわけだ。次回からは重量級が増えるだろうか。ただ大きなロボットは作るのにお金がかかるのでどうかなあという気もする。

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March 05, 2008

フレームと炎上

いつも読んでいる「ガ島通信」で[ブログ][メディア]「ウェブ炎上」荻上チキさんとのトーク終了、感想と炎上防止のアイデアなどというウェブ炎上にどう対応するかとうオフ会の話がのっていた。
第1回ニュース畑オフ会のご報告 - goo ニュース畑 スタッフブログ
にも同じオフ会の話題がのっている。
gooニュースのニュース掲示板「ニュース畑」主催ということで結構紹介されているようだ。

最近は炎上というのだが、昔はフレームと言っていたと記憶している。まだWebが普及する前のパソコン通信の時代の話だ。だいたいフレームが発生すると野次馬が集まってきてややこしくなることが多かったような気がする。まあ、見るだけなら影響がないのだが、ちょっかいを出す人はでてくるようだ。
最近はブログで似たようなことがおきると炎上というようだ。だいたい、ブログのコメント欄に批判を書き込まれる現象をさすようだ。2チャンネルでフレームが起きるとこちらは祭りと呼ばれるみたいだ。まあ、祭りの場合かならずしも批判とは限らないみたいだが。

それで炎上を防ぐ方法はないかということだが、これはネットの即答性みたいなものが影響しているように感じる。だれかが書き込むとそれを見て別誰かが反応する。これがほぼリアルタイムで進んでいく。このため、どんどん内容がエスカレートしていくことが多い。書き込む皆が冷静に対応できればほとんど起きないと思う。まあ、意識的に煽って炎上させようとする人もいるようなので、簡単ではないのだが。

それで昔ニフティのフォーラムでフレーム防止の方法として2日間ルールと言うものを作っていたところがあった。これは、書込みを読んでもすぐにそれに対する書込みを行わず2日経ってから書き込むというものだ。気に入らない文章を読んでカッカした頭で書いた文章はどうしてもフレームを起こしやすいものになる。だから2日間時間を置いて頭を冷やしてから書いてくれというものだ。
もちろん、本当に読んでから2日間たっているのか検証することはできないが、つぎからつぎへと書込みが行われることはある程度防ぐことができる。まあ、今のブログのコメント欄は名前を変えて同じ人物が書き込めるので同じ方法をそのままルール化しても上手くいかないかもしれない。ただ、そう呼びかけることでじっくり議論するような雰囲気を上手くつくれれば、たとえ批判的な書込みが多くても炎上とならないような気はする。

先に紹介した記事にも炎上防止の策がいくつか紹介されている。このなかで炎上消防署というアイディアが似ているようだ。強制的に書込みを停止してしまって皆の頭が冷えるのを待つというもの。

書き込んだ個人を特定できるようにすることで炎上を防止できるような意見もあるが、これはニフティ時代の経験から無いと断言できる。ニフティではIDから個人の特定は可能でフォーラムによっては本名を出さないとダメなところもあったが、それでもフレームは起きた。個人が特定されても気にしないで過激な批判を書く人はいるということだ。

まあ、個人的には、まずい発言をしてしまって批判が集まったら即効で謝るのがいいと思う。別に間違いを認めてもその考え方が全部否定されるわけではない。批判を取り入れた上で自分の考えを主張していくことはできる。このときの対応も2日間とはいかなくても少し頭を冷やす間隔をとりながら対応するのがいいと考えている。

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