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November 23, 2005

古川氏がTRONについて書いているようだ

ガ島通信古川&坂村、官僚のリークとマスコミに怒るで元マイクロソフトの古川氏がTRONとマイクロソフト提携時の裏話を書いていることを紹介している。このブログの趣旨はマスコミ記者が裏も取らずに官僚のリーク話をそのまま記事にしてることを批判してるのですが、ついTRONの話ということで昔話などいろいろ書いてみたくなりました。

ガ島通信では坂村氏がマイクロソフトと提携したことを国賊と呼べるのか関係者の話を聞かないと分らないと述べています。まあ、ジャーナリストとしては当然の考えでしょうね。それで、多少当事者だった私の感想ではそのように呼ばれることは有りだと感じます。

なぜ、国賊と呼ばれるのも有りと感じるかは、坂村氏は割とアメリカ的なプレゼンテーションをする方という印象をもっています。どんな部分かといいますと比較広告というか先行事例と比べて自説の優位性を宣伝したり、ライバルを非難すことで自分のところの方が優れていると言ってみたりすることが多いようです。ただ内容で嘘をつくようなことはないです。もちろん都合のよい部分のみ取り出すというのは普通に行なっていますけどね。

それで、TRONの宣伝をするのにマイクロソフトの製品を批判するということはやっていたわけです。しかも、米通商代表部(USTR)の貿易障壁によってBTRONをつぶされたようなことも言っていてその手先としてのマイクソフト像というもの使ってきたと思うわけだ。だから、その相手と手を組むという行為を批判する現象は起きるのはあるいみ自然だと感じる訳なんです。ただその批判が当たっているかといえば違うと思う。坂村氏はTRONの構想を出した時から、世界中の企業どこでも参加OKと名言していたはずだから、それにマイクロソフトが乗ってくれば断るわけにはいかない。

さて古川氏のブログトロンとマイクロソフトの提携、その背景には... トロンとマイクロソフトの提携、その背景には..続きの内容についても感想などを。

以前トロン復活だって!!にも書いたのですが、昔どこかで読んだ記事で古川氏は坂村氏を批判するようなことを言っていた。ちょっと仲良くなったからといってすぐに持ち上げるところはトロンとマイクロソフトの連携、私の見解の冒頭で批判しているマイクロソフトを持ち上げる人たちとあまり変わらないということです。

まず、自分達の意図しない内容で官僚がマスコミに流したことを批判していますが、官僚に記者会見前に話せばリークされる可能性があることを考えておくべきでしょう。もちろん、自分の都合のよいように内容を変えてマスコミに流した官僚は非難されるべきです。しかし、日本のマスコミが裏も取らないでもらった情報を記事にする確率が高いことは分っているはずです。それなのに話してしまうとは、やっぱり古川氏はビジネスマンとしては、苦労していない印象を受けます。非常に強い商品を持った会社の販売出張所長だったということでしょう。あまりそのように考えたくはありませんが、自らその甘さを公表しているところからして、他の行動でも似たような甘さはあったと思わざるをえません。

当時からだったかは私の記憶がはっきりしませんが、坂村氏は最近はLinux批判をしています。なら、Linuxを推進している人がマイナスのイメージを持つことは当然です。そのあたりも分っていないという印象です。坂村氏は優れた先見性をもっているのですが、どうも実行力が今ひとつなんです。他力本願で実現しようとします。官僚なんかも上手く使っている印象なんですが、いつも上手くあしらっているので油断があったのかもしれません。

古川氏は官僚批判として、その後の省庁へのネットワーク機器の規格の話をしていますが、このあたりは後では何とでも言えることです。当のマイクロソフトがTCP/IPを取り入れたのはWindows95からだったと記憶しているので、省庁の採用が遅かったと批判するのはどうかと思います。私に言わせればネットワークを導入しているだけマイクロソフトより進んでいたと感じます。
価格の点も今でこそLANカードが数千円で買えますが、10年前はもっと高かったですよ。パソコン関連の周辺機器を売り込んだようなことも書いていますが、FDDをジョブズがわざわざ日本に買い付けきた話など別のところで読んだ記憶があり、ここに書いてあることをそのまま信じることはちょっと出来ないです。少し調べたら突っ込まれるような安易な内容ではない部分で説得を試みて欲しいものです。

実はこのブログを読んで古川氏の限界を見たようで私としてはちょっと残念な気持ちになりました。ブログを書くということは自分の力を世間に発表しているということでもあると、あらためて感じたしだいです。私もブログを書いている以上少しは心がけたいと思います。

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November 09, 2005

献血後の被害救済に統一制度

見出しが新聞記事そのままのようになってしまった。献血後に起こった事故に対する救済制度を厚生労働省が作る方針だと、報道された。大したニュースではないのだが、私は献血後に倒れた経験があるので、非常に関心をもった。

初めて400ccの献血をした時のことだ。献血車から出てきて休もうとした時にめまいというか気分がわるいというかとにかく立っていられてなくなってしまった。幸いその場所には献血する人を見ていたお医者さんがいたのですぐに対応してくれて、私は簡易のベットにしばらく横になって休むことができた。その後なにごともなく、しばらく(30分くらいか)横になっていたら回復したので、事なきをえた。

私の場合は回りに沢山献血関係の人がいて、すぐに対応してもらえたので大丈夫だったが、報道によるとそのまま倒れてケガをしたりすることがあるようだ。最近倒れた時の打ち所が悪く死亡したひとさえ出たようだ。毎度のことだが、死人がでると日本ではあわてて対応策を取るみたいだ。

さて、私が倒れたときに見てくれたお医者さんは、いままで献血で事故はおきたことはないと言っていた。つまり献血の結果健康被害が発生したことはないという意味だろう。しかし、今回の報道をみると、事実は違っているようだ。

私が読んだ新聞記事では2004年度で献血後になんらかの健康被害が報告された例は5万6571件あるということだ。同じ記事によると2004年度の献血者数は547万人。つまり約1%が何らかの健康被害をうけていることになる。これは結構大きな数字ではないか。同じ記事によると7割くらいがめまいや血圧低下が起きる血管迷走神経反応(VVR)というものらしい。症状から私が経験したものもこれなのかと思う。

私のようにちょっと横になって休めば回復するようなものが大半なのだろうだから、医療関係者はあまり気にしないのかもしれない。しかし、たとえめまい程度の軽いものでも1%程度の人に発生するなら、事前に説明をしてほしい。そうすることで症状が起きたときに安心する。私は献血後倒れてから何日間か結構不安だった。そう、なにか大変な病気になったのでないかという、根拠のない不安なのだが、事前に説明があればそのような気持ちにはならなかっただろう。

私はその後も献血はしているが、400cc献血はしなくなってしまった。悪いことは、あまり言いたくはないだろうが、情報を正確に開示することのほうが、献血者の減少を食い止めるにはよいはずだ。今回救済制度もできることだし、積極的にマイナス面も情報開示してもらいたい。

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November 08, 2005

東京証券取引所のシステム障害について

東京証券取引所のコンピュータシステムが動かなくなって、株の取引ができない事態が発生した(記事)。
影響の大きさという点では、電話局が火災になって銀行のオンラインがとまったとき以来の規模だと思う。しかし、証券関係者やデイトレーダーでもなければあまり関係がないというのが実感ではないか。そもそも一日証券所の取引が止まったくらいで大きく影響するような株の買い方をしているようではとてもまっとうな投資とはいえないと私は考えています。

株取引の話はさておき、コンピューターシステムが動かなくなったシステム障害の原因ですが、毎度のことで、単純なミスのようです。「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」東証ダウンの原因はオペミスによると作業指示書に誤りがあったということです。その結果操作ミスが発生したということでしょう。東京証券取引所の幹部の方たちは損害賠償請求に言及していますが、操作ミスとなれば自分達にも責任があることは明らかです。

私の感覚から言えば、システム障害が発生した直後に損害賠償請求のことを口にしていることが、根本原因のような気がします。どういうことかといいますと、自分達はシステムに関わっていないと言う認識なんですね。有り体に言えば、下請け(今回は富士通)にまる投げしているということです。そんな感覚でシステムの運用をしていれば、システム運用体制がいい加減になるでしょう。だから操作ミスもおきるわけです。栗原氏も銀行系のシステムはそのあたりしっかりしていると述べています。

私は最初今回のシステム障害はUNIX系のクライアントサーバシステムで発生したと思っていました。だから運用経験の少なさに原因があるのではないかと推測したのです。ところが栗原氏のブログのコメントのやり取りから、報道で業務サーバと言っていたものは実はグローバルサーバと呼ばれるものだと知りました。そして富士通のサイトを調べたら、かつてメインフレームと呼ばれていたものを富士通は今ではグローバルサーバと呼んでいることがわかりました。つまり、まだまだ基幹系はメインフレームなんです。

ところが、原因は操作ミスということで、運用経験不足というか運用体制に問題があることがわかってきたわけです。コストダウンの圧力があるためかアウトソーイングの名のもとに下請けまる投げなことをしていると、痛い目にあうということだと思います。

栗原氏も本番と同等構成のシステムがテスト用に用意されておりいつでも並行テストできるような体制になっていないとまずいと述べています。確かにそうだと思います。私が以前かかわった放送局のシステムでは、メーカ側でソフト的に同等なシステムを作りました。さすがに全く同じものはハードのコストがかかるので、処理能力などを落とした機器を使っていましたが、ソフト的には同等の動作テストができるものでした。

あるものの完成度を完全に近づける作業はものすごく大変です。例えば95%の完成度を達成する労力を50とすれば、98%の完成度にする労力は100かかるでしょう。そして100%にしようとすると200の労力が必要と覚悟しないとならないと思います。ところが最近の傾向で95%の完成度なら大体のことは問題なくすんでしまう。ましてや98%の完成度なら滅多に問題は起きない。このあたりで妥協してしまう体質になってきているのですね。最近は家電製品の完成度でも似たような印象を持つようになり、日本全体がもの作りに対するこだわりが弱くなってきた表れのようで、先行き心配です。

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