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February 27, 2006

経済学は科学か?

PC系の議論では辛口の評論でお馴染みの中村正三郎氏のWebページで経済学が科学かという議論が盛り上がっている。ブログにも同様な内容がアップされていて、そちらにいろいろコメントがついてそれに中村氏が反論する形になっている。最初はここここの「スティグリッツ入門経済学第2版」という本で薮下史郎氏が書いた部分に対する中村氏の批判がキッカケになっている。本文を読むとわかるけど、あくまでスティグリッツ入門経済学第2版の内容はキッカケで中村氏がひごろから経済学に対して抱いている疑問を一気に書いているとようだ。経済学は役にはたっているけど、科学とは呼べないという内容のことを述べている。それに対して、経済学を勉強している人達(印象としては専門家というより経済学ファンという感じ)が反論している。

それに対しての中村氏の反論がここここに書いてある。私は中村氏の主張は、いつもの調子で辛口で毒舌なんだけど、よく分かるし、共感できる。その上、私のコメントを引用して代弁してくださってます。なんて書いてもらった(ミーハーな私は有名人にこんなコメントもらうと単純に喜んでしまう)。

現状では、日本の経済学者はトランク学者が多い。それは、経済学で世界的に評価を受けている研究をしている経済学者が日本にどのくらいいるのかを見てみれば分かることだと思う。工学や理学では数え切れないほどいるけど、経済学ではあんまり知らない。まあ、報道されていないというのが正しいのだが、数が少ないので報道されないと考えて間違いないだろう。そんな貧弱な日本の経済学者達をみて、経済学は科学とはいえないと中村氏が主張するのも理解できる。私は科学ではないというのは言い過ぎとしても、まだまだ発展途上で物理学などに比べれば何百年も遅れているのは間違いないと思う。当の経済学者たちがそういう自覚があればいいのだが、ないような気がする。遅れていると言っても、経済学の歴史がそれほど長くない(200年くらいではないか)と思うので、当然だ。これから発展していくのだから、それほど悲観する必要もないと思っている。

経済学擁護派の反論が、あまり科学的な反論になっていないというのが面白い。つまり中村氏の上げた理由に対して、具体的または論理的な反証をあげて反論できていないのだ。まあ、具体的な反証を探すのは大変なので、ブログの議論でそこまでやる人は少ないとは思うけど、その行動が中村氏の主張を補強しているのも事実だと思う。このあたりの理論展開は中村氏に一日の長があるようで、反論者たちは中村氏の術中にはまっているいるようだ。

さて、中村氏は科学の定義として「数学を使って精密な議論をしている」というものをあげている。この議論には賛成といえば賛成なのだが、「論理的な議論をしている」なら数学を使わなくてもいいと私は思う。しかし、厳密に論理的に議論するには数学を使った方が楽なので、多くの場合数学を使うだけだろう。

論理的な考えを鍛えるには、数学を勉強するより、コンピュータのプログラミングを勉強した方が良いという人もいる。今の数学の表現は自然言語を使っているのでどうしても論理的に曖昧な部分や、論理的な飛躍を許してしまう部分があるというのだ。その点、コンピュータを動かすには、論理的に曖昧な部分があればバグになるし、論理的な飛躍をしてしまうと動かないという目にあう。中村氏はプログラマとしても有名なわけで自身は数学という言葉が読み書きできないと述べているけど、コンピュータで論理的な議論は十分に鍛えられていると感じる。

マスコミに登場する経済の専門家と称する人達を見ていると、確かに経済学は科学ではないと主張したくなるのは、よく分かる。しかし、マスコミに登場する経済の専門家と称する人たちは、本当の専門家ではないですからね。板倉雄一郎氏によると実務経験の無い(経済、経営系の)学者は「アダルトビデオを1000本観て、研究を重ねた童貞」だそうです。

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February 16, 2006

頭脳労働だって汗をかく

最近、ライブドア事件にからんで、虚業はよくない、額に汗して働くべきだという主張があちこちで見られる。額に汗して働くべきだという主張は私も賛成なんだけど、どういう働きかたが、額に汗する働き方なのか、ぜんぜん説明がない。そもそも虚業の定義もよく分からない。そう思っていたら「週刊!木村剛」で取り上げていた。

このなかでも、だいたい、肉体労働を額に汗して働く行為という扱いのようだ。しかし、そうだろうか。辞典などを見てみると虚業とは、「堅実でない事業」とか書いてある。すくなくとも、翻訳家やジャーナリストは堅実な事業ではないだろうか。もちろん銀行業や証券業もまっとうに行なっていれば堅実な事業だろう。

そもそも頭脳労働全てを虚業とあつかってしまったら、実業より虚業の従事者の方が多くなってしまう。一応プログラムなど作っている私も、虚業になるのだろうか。

しかし、プログラムのアルゴリズムとか考える作業はそれなりに疲れる。人間の体のなかで一番エネルギーを消費するのは脳だそうだ。つまり脳を酷使する仕事は一番エネルギーを消費していることになる。まあ、体を動かす作業でも脳を使わないわけではないが。実際、頭脳労働でも汗をかくことはある。冷や汗、脂汗が多いけど、普通の体を動かした時の汗もある。

そもそも、虚業でないことを額に汗して働くことのように言うことが変なわけで、まっとうな仕事をやっているなら、批判は当たらないはず。それを偉そうに虚業だ、虚業だと批判したがるマスコミが多いだけだろう。

上記の木村氏のブログのなかでも述べられていたが、虚業批判をしているマスコミの人たちが自分達の定義では自分も虚業になってしまうという矛盾を持っている。このあたりも、マスコミの「最小言語の法則」が生きている気がする。内容が不正確でも、短い言葉を好む。例え正確な説明でも長い文章は発言は排除される。
虚業という短い言葉が好んで使われるわけだ。ジャーナリストは足で稼げとかいわれるようだ。虚業批判するマスコミの人には、あなたは額に汗して取材していますかと問いたいですね。

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