経済学は科学か?への反論をもらいました
bewaad institute@kasumigasekiさんより経済学は科学か?にトラックバックをいただきました。コメントしたかったとのことですが、私のブログでは私にコメントをきちんと管理する能力がないので、トラックバックの受付のみにしております。ご理解おねがいます。
最初bewaadさんのコメント欄に回答しようと思ったのですが、長くなったのでブログの形で回答します。
まず私は、「経済学は科学」と考えています。先の私のブログでも明確な言葉では言っていませんが、そのような前提で書いています。ただ、物理学などに比べて、歴史が短いので、まだまだ発展途上だという認識です。
具体的または論理的な反証をあげて反論できていないという私の主張に対してbewaadさんは具体的な反論はしているととのことですが、私の文章能力がないために、何に対する反証なのかが、十分に伝わっていないようです。つまり、「経済学は科学ではない」という中村氏の主張に対する「具体的または論理的な反証」は、私の読んだ範囲では目ぼしいものは有りませんでした。その後出てきているかもしれませんけどね。
残念ながら、具体的な反証とよべるものは、中村氏があげた人や著作に関するものばかりです。そのような反論の仕方をするのは、ブログやそのコメント欄では比較的一般的です。でもそれでは、「経済学は科学ではない」という中村氏の主張に対する反論にはならないのです。ただ、氏の上げた証拠をつぶしているだけです。証拠を全部つぶしても、結論は「中村氏の主張には根拠がない」です。それでは、「経済学は科学である」という主張にはなりません。このあたり、中村氏の術中にはまっていると感じるわけです。
科学的な論証の方法として、ガリレオが打ち立てたとされる方法論が、「仮説をたてて、その仮説が正しいとする証拠を、観測や実験からそろえる」というものです。中村氏は、「経済学は科学ではない」という仮説をたてて、その証拠と考えるものを述べています。もちろんその証拠が全て否定されれば、中村氏の主張は根拠無しです。しかし、ここで勘違いしてはいけないのは仮説はそのまま残るということです。「経済学は科学ではない=根拠なし」となっても「経済学は科学である」ということにはなりません。
「経済学は科学である」という仮説を主張するには、その仮説を証明するための根拠を挙げなくてはいけません。残念ながらそのような考えに基づいて中村氏に反論していると思われるものを、私は読んでいません。
経済学者でも文学者でも、論理的な主張をできる人はいます。そのことは否定しません。問題は、経済学者ではそのような人が少ないということです。そのような状態をみると、経済学のコミュニティでは論理的な主張ができなくても学者として通用しているのではないかという疑念を払拭できないことです。そのことを中村氏は経済学は科学ではない論拠の一つにしているように私には感じられます。
おまけ
中村氏が、コンピュータ業界の人ということで、コンピュータ業界、後、物理学の分野などで、中村氏の上げた経済学が科学ではない例と似たものを探してきて、どうだと言っている例が多く見受けられます。これなどまさに中村氏の術中にはまった例ですね。そんな例をいくらあげても、経済学が科学であるという論拠にはなりません。その上に議論としても建設的なものにならないのです。このような基本的なことは、建設的かつ論理的な議論を十分にしたことのある人は、知っています。つまり、反論者自体が、中村氏の主張の証拠になってしまっているのです。

