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September 15, 2007

設備研究の終焉と天文学への波及

装置産業という言葉がありますが、それに模して設備研究と言葉を使ってみました。どのようなものかというと高価な又は巨大な設備を使わないとできない研究です。加速器や原子炉を使ったものが容易に思いつきます。巨大望遠鏡(電波も含め)が必要な天文学や巨大なロケットが必要な宇宙開発なんかもそうでしょうか。

かつてはコンピュータ分野もそうだったと思います。高価かつ巨大なメインフレームコンピュータを使わないと出来ない研究は沢山ありました。それを使えることが研究を行えることになります。今でも気象関係の計算など少しは残っているようです。しかし、パソコンの高性能化にともなってそのような分野はほとんど消滅してしまいました。

昔は個人やアマチュアではとてもできなかったようなことがコンピュータやインターネットの発達で可能になりました。昔は紙に回路図を書いて手で配線していました。プリント基板も手張りで作ったものです。しかし、今は回路図はCADで書きます。プリント基板もフリーソフトのプリント基板設計用のCADを使って作ったデータを試作屋に渡せば製品と変わらないものを作ってくれます。電子メールで発注すれば外国の安いメーカを使うことが出来ます。

昔なら出来ないような研究が安価なパソコンを使うことでできるようになりました。今までは高価なメインフレームが使えることが前提だったものが大きく変わったのです。安価なパソコンで昔のメインフレーム以上のことができるようになったことで、メインフレームを使えることの利点はなくなりました。おかげでより多くの才能が研究をするチャンスを得て、メインフレームが使えるというような特権に安住していた人達は苦境に立たされているはずです。実際は進歩が早いためかそのような実態が露呈するにはもう少し時間がかかるようです。

今、コンピュータの発達その他によりこのようなコンピュータ分野で起こった研究の大衆化ともいうべき現象が他の設備研究の分野でも起こりつつあるように感じます。たとえばロケットや人工衛星。すでに人工衛星は大学の卒業研究のレベルで沢山作られているのです。実際に衛星軌道にのって2年以上稼動しているものもあります。弾道飛行させるものは大学対抗の競技会になっています。
ロケットについても最近北海道の町工場で作成されたものが打ち上げに成功したというニュースが流れていました。開発者は北海道大学の先生らしいですが町工場レベルの設備で観測用の弾道飛行するロケットは製作できるレベルに来ているわけです。あと少しで衛星軌道に人工衛星を投入できるものもできるでしょう。その後大阪でも別な方式のロケットが町工場レベルで作られ打ち上げに成功したというニュースを聞きました。
そうなると先の人工衛星と話と合わせれば天文学が町工場レベルの設備でできるようになります。町工場レベルであれば今プリント基板を個人で発注できるように近い将来自分のパソコン上で設計したロケットをインターネットで発注すれば人工衛星を打ち上げられるロケットが届くようになるでしょう。個人で作った人工衛星をこれを使って衛星軌道に乗せれば自前で宇宙観測ができます。高機能のデジカメと望遠鏡を積めばスパイ衛星もどきも作ることができるようになるでしょう。

そうなれば多くの才能が宇宙に目を向けるようになるはずです。天文学が再びアマチュアの手にもどってくるのもそう遠くない日ではないでしょうか。そしてそのことで多くの面白い発見が出てくることを期待してしまいます。さてこの予想いつごろ現実になるでしょうか。

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September 13, 2007

アジア初のワールドコン オフレコ編

今回、いろいろな企画で聞いたのはブログに書かないでくれだ。いままでもここだけの話として紹介されることはあった。それが生に関係者から話が聴ける機会があるSF大会の魅力の一つだった。それが今年はここだけの話ではなく「オフレコです。ブログには書かないでください」だ。ここ2年ほどSF大会には行っていないので何時から言われるようになったかははっきりしないが前回行ったときはそのような言葉は聞いた記憶がない。
ジャーナリストではない一般人に向かってオフレコですと言うようになったことは、見方によれば、全員がジャーナリストになりえることを表していると思う。

明らかにインターネットやブログによる効果だろう。プロのジャーナリストがオフレコの話を報道してしまうことはどのくらいの確率なのか知りたいところだが、一般人はどうだろうか。過去の経験ではココだけの話はあまり活字になったのは見たことがない。SF大会に来るような人はブログが登場する前からWebページを書いていたり、メーリングリストで発言したりしている。また、会誌を発行しているグループも多いのでそこでちょっと書くこともできる。私がそれほどそれらのソースをチェックしているわけではないが、あまり目にしないので、それなりにココだけの話を外に公にしないことは守られているように感じる。オフレコという話になってどうだろうか。

それでブログには書かないで欲しいとわれたネタだが、どこかに記録しておきたいので私のWebページの方にでも書いておこうか。

まこここはブログなのでオフレコでない部分を書こうか。まずは、話ではなくてうれしかったこと。ジョージ・タケイ氏のサインをもらうことができた。写真を2500円(または25$、なぜかドルの方が割安)買ってそれにサインをもらう形式。サイン会では良くあるパターンでなにか買うと書いてもらえるというものだ。サイン後に握手をしてらうっている様子をカメラを渡すと撮影してくれる。なかなかよかた。(ジョージ・タケイ氏は最初のスタートレック(TOS)に操縦士の加藤(スールー)役で出演していた俳優です)

OpenSkey プロジェクト の企画に参加した。これはナウシカに出てくるメーヴェ(OpenSkey プロジェクトでの正式名称はM-02)もどきを作って本当に空を飛ぼうという話だ。この話をネット上で聞いたときはずいぶんと実行力とお金のあるマニアがいたものだと感心したのだが、ちょっとちがっていた。
製作者の人はいわゆるアーティストで、自分の作品としてメーヴェもどきを選んだのだ。まあ飛ぶものが好きとか、日本で長い間飛行機が生産されていないことを嘆いていたのとか、それなりの動機はあるようだけど。
M-02を作る前はバックツウザフューチャーの中に出てくる浮かぶスケートボードを作ろうとしたそうだ。重力制御装置は入手できないので小型のジェットエンジンをつかってホバークラフトのような感じで浮かしたらしい。私は偶然先日東京現代美術館で実物をみていのだが、カヌーぐらいの大きさだった。
M-02はまだゴムで引っ張って飛行しただけなので、ジェットエンジンを積んで飛ぶ準備をしているそうだ。1000m位まであがれると言っていた。ただ体がむき出しなので速く飛ぶのはつらいらしい。バイク程度の速度で100km/hくらいが適当だろうと言っていた。その気になれば200km/h位はでそうな雰囲気ではあったけど。
飛行機とモータグライダーの間のようなカテゴリーになるだろうということだが、エンジンがうるさいのでモータグライダー的に高度を確保したらエンジンを切って滑空する飛び方にしたいということだった。

以下オフレコ...

アニメロケットガールの上映会にいく。原作者の野尻さんと航空関係のノンフィクションライタの松浦さんの話も面白そうだったので、しかし、実際はアニメのみ見て話しの間は別の企画に行ってしまった。戻ってきて少し話を聞くことができた。後半部分のアニメもうまく見ることができた。聞くことができた話の大半はロケットガールということで秋田大学のロケットガール養成講座の話だった。実際にメンバーの一人がきていた。

ここで知ったのだが、秋田大学のロケットガール養成講座の募集がアニメロケットガールのサイトで行われていたようだ。それを見て応募したと言っていたから。なんかちょっとそれはないんじゃないと思った。教育目的なのかもはっきりしないし、やり方もあまり教育効果が上がらない方法を用いているし。まあプロジェクト運用の教育は大学はあまり経験がないからなあ。企業ではいろいろノウハウをもっているのでそういうところと協力するといいと思う。理系というか工学に関心を持ってもらうのが目的らしいが、それならデスマーチを経験させるのは得策ではないと思う。
秋田大学がこの企画を運用しているのは偶然ではないと思う。工学部離れでマイナーな大学は受験者不足に悩んでいるはずだからだ。だから何とかしようというのでこういう企画が出てきたのだろうと推測される。下手をすると外部の企画会社からの持込みかもしれない。そのあたりの事情をどこかで報道してくれないだろうか。

ちょっと検索してみたところ、「能代宇宙イベント」というものがあってこれとロケットガール養成講座の企画は連動しているようだ。ロケットを使った教育目的のイベントとしてはHamana-1,Hamana-2というものがある。直接は関係ないみたいだが、どちらもアメリカ製のロケットキットを使っている点や、観測装置を製作して載せるなどの点が似ている。まあ偶然だと思うけど。

紹介や目的をみてみるとロケットガール養成講座の目的は教育ではなくて、「ロールモデルの提示」らしい。思い切り単純にいえば楽しい思いをさせて理系とくに工学系に進みたいと思ってもらうことが目的のようだ。しかし、会場でいろいろ聞いたオフレコの話から感じるのは、ならもう少し楽しめて充実した後味がもてるようにいろいろ仕掛けをほどこすべきだろうということだ。

以下オフレコ...

まあ、オフレコの内容はどこか(ブログじゃないところ)に公開するかもしれないし、しないかもしれない。

9/16 追加
リンクが切れても内容が残せるという「ウェブ魚拓」というサービスを見つけたので試しにここのリンクを残してみる。Hamana-1は上手く取得できなかったので残り3つについて残しておく。

ロケットガール養成講 ウェブ魚拓
「能代宇宙イベント」 ウェブ魚拓
Hamana-2 ウェブ魚拓

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September 02, 2007

アジア初のワールドコンとボランティア

8月30日から9月3日まで横浜のパシフィコ横浜で日本初まあアジア初のワールドコンと日本SF大会が行われている。アジア初という言い方はどうだろうか、アジアアフリカ初ともいえるし、非キリスト教国初ともいえるし、言い方はどうとでもなる。もともとワールドコン自体アメリカ国内だけで行われていたものがヨーロッパやオセアニアでも行われるようになったもので、今回も日本がワールド(世界)のアリバイになったようなものだ。とはいえ日本初はまちがいないし、生きているうちにまた日本である可能性は低いと思うので、とにかく参加した。

多くのボランティアが働いている。そこで気が付いたことがある。いままでの日本のSF大会でもボランティアは大勢いた。しかし、扱いがちがうのだ。聞くところによれば、ワールドコンの大会規定でその扱いが規定してるらしい。だから、食事が無料で提供されたりする。
いままで見てきた日本単独SF大会ではボランティアの扱いはずっといい加減で良識に任せるから好きにやってくれと言う感じだった。だからトラブルもそれなりにあったようだ。

ワールドコンはアメリカ発のものだ。ボランティアが盛んな国なのでそれなりの運用ノウハウを蓄積しているのだろう。それが完璧と言うわけではないだろうが、日本でこれからボランティアを増やしていくな見習うべき点は多いはずだ。

こんなことを思ったのは最近学校教育としてボランティアを行わせるという話を聞くからだ。海外の制度の良い点をちゃんと調べて取り入れているのだろうか。そのあたりをちゃんとやらないと総合学習の二のまいになるだろうな。

さてワールドコンで得た情報をいくつか。
セカンドライフ関連の企画に少し参加した。来ていたのは日米のセカンドライフ関連企業の人のようだった。
セカンドライフの世界は平らでいくつかに分断されている。地球のように丸くないので人工衛星は上げられない。そもそも760何メートルより上にものをつくることはできないらしい。建物だけでなく山のようなものもダメのようだ。禁止ではなく作ろうとしても安定しないそうだ。そもそも建物と山のような地形とに区別あるのかもあやしい。
天気は買うことで好きなものを選べる。自分で作ることも出来るそうだ。でそれを聞いてすぐに思いついたのが気象兵器の製作だ。それで他の地域を攻撃したら、世界征服ができるだろう。だれかそんなネタで本か小説書かないかなあ。架空戦記よりおもしろいかも。
そもそも武器や兵器は作れるのだろうか。
セカンドライフの使用法として紹介されていたのが、プロモーションビデオの作成のようなもので、セカンドライフ内にセットを作れば簡単にできるという紹介があった。個人参加していろいろ楽しむという紹介はなく、あまりそちらは商売につながっていないような印象だった。
今年には何十ものセカンドライフと似たようなシステムがでてくるだろうとも言っていた。オーストラリアでフラッシュのみでセカンドライフと同様に使えるシステムも開発されているそうで、そうなると始めるのにいろいろ面倒なセカンドライフは不利になるだろうなあ。私はセカンドライフ的なものがそれなりの地位を得るだろうと考えている。しかし、それはセカンドライフではなく、似たようなシステムを提供した後発になると思っている。きっと日本か韓国の企業だろうとも思っている。果たしてどうなるだろうか。

9/16 追加
リンクが切れても内容が残せるという「ウェブ魚拓」というサービスによるページの保存

ワールドコンと日本SF大会

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